投資対象には様々な種類がある。株式、債券、不動産、仮想通貨など。
投機的な手法を用いて大きな勝ちを狙いにいく投資家がいる一方で、毎月コツコツと一定額を積み立てて投資を続ける投資家もいる。
後者の場合、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を利用しながら、とりわけインデックス投資を好む向きが多い。
インデックス投資は大衆車なのか？
インデックス投資と聞くと、中には拒否反応を示す人もいる。曰く、
「インデックス投資？ ああ、あの退屈で、派手さのない、まるで大衆車のようだと揶揄される投資法のこと？」といった具合。
…なるほど。だが、よく考えてほしい。真に優れた道具というものは、とかくその外見の派手さや、耳触りの良い謳い文句とは裏腹に、極めて地味で、本質的な機能に徹しているものだ。
例えば、熟練の職人が使う工具然り、あるいは、名ドライバーが操るグランプリマシン然り、だ。
彼らは、決して華美な装飾に目を奪われることなく、ひたすら走るという本質を極めることに腐心する。インデックス投資もまた、それに通じる哲学があるのだ。
「最高のパートナー」を選ぶということ
あなたがもし、長距離を共に走り抜ける「最高のパートナー」を選ぶとしよう。その時、あなたは一時的な流行や、刹那的な速さに惑わされるだろうか？ 否、違うはずだ。あなたはきっと、その信頼性、耐久性、そして何よりも、いかなる状況下においても、あなたの期待を裏切らない「本質的な強さ」を選ぶだろう。
インデックス投資とは、まさにそれだ。世界の経済そのものに投資する、と言えば、少しばかり大袈裟に聞こえるかもしれない。しかし、考えてほしい。世界中の人々が働き、生産し、消費し続ける限り、経済は緩やかに、しかし確実に成長していく。
インデックスファンドは、その「世界の成長」という、最も普遍的で強力なエンジンに、あなたの資金を繋ぎ合わせるための、極めて優れたトランスミッションなのだ。
例えば、S&P500という指数がある。これはアメリカを代表する500社の株価に連動するものだ。アップル、マイクロソフト、アマゾン、これらの企業が、いまや我々の生活から切り離せない存在であることは、あなたも認めざるを得まい。
彼らが日々、革新的な製品やサービスを生み出し、利益を上げ続ける限り、S&P500は、まるで熟練のドライバーが、路面状況に合わせて最適なギアを選択するように、着実に前進するだろう。
「余計なハンドル操作」は無用だ
あなたがもし、初めてのサーキットに足を踏み入れたとしよう。そこで、やみくもにハンドルを切り回し、アクセルを煽る者がいたとすれば、あなたはどう思う？ 嘲笑するだろう？ そして、その者がコースアウトする様を、容易に想像できるはずだ。投資も同じだ。
市場の短期的な変動に一喜一憂し、頻繁に売買を繰り返すのは、まさに「余計なハンドル操作」に他ならない。それは、手数料という無駄なガソリンを消費し、精神的な疲弊をもたらすだけで、結果としてあなたの資産をすり減らす行為なのだ。
インデックス投資の真髄は、一度「最高のパートナー」を選び、それに資金を投じたら、あとは「座して待つ」ことにある。市場の小さな波に揺れることなく、ただひたすら、目的地へと向かう「航海」を信じて待つ。その悠然たる姿勢こそが、最終的にあなたに勝利をもたらすのだ。
「自己満足のチューニング」は慎め
世の中には、自分の車を過剰にチューニングし、その性能を誇示することにのみ喜びを感じる者がいる。だが、彼らのほとんどは、その真の性能を引き出すことはおろか、むしろバランスを崩し、危険な状態に陥っていることに気づかない。
投資においても、それは全く同じだ。
「もっと儲かる方法があるはずだ」「あのテーマ株は今が買い時だ」――そう言って、個別銘柄に深入りしたり、レバレッジをかけてリスクを増大させたりするのは、まさに「自己満足のチューニング」だ。それは、あなたの資産を危険に晒す、愚かな行為に他ならない。
インデックス投資は、極めて「標準的」だ。しかし、その標準性がゆえに、最も多くの人々にとって、最も安全で、最も効率の良い「道」を示してくれる。余計な手出しは無用だ。シンプルな構造の中にこそ、真の強靭さが宿ることを、あなたは知るべきだ。
共に疾ろう！
あなたの未来を、運任せにしてはならない。自らの手で、しかし、焦らず、そして賢明に、その礎を築くのだ。
インデックス投資とは、決して派手ではない。だが、それはあなたが人生という長大なレースを、確実に、そして悠然と走り抜けるための、最高の「ツール」となるだろう。
さあ、迷うことはない。あなたの「資産」という名のエンジンを始動させ、そして、この「市場」という名の広大なサーキットで、共に疾ろう！
ではまた♪
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